トホホな日々

 いろいろあって辛い一週間だった。

気を取り直して稲垣えみ子「魂の退社」を読了。
 社会的肩書の最たるものがどの会社に属しているかと会社での地位。見知らぬ人を理解する際、どんな家庭で育ちどのような学歴を持ちどのような職に就いているかで人物像の概要はつかめる。それに写真でもあって、あーっこんな顔かぁてなことまでわかればイメージはつかめるだろう。さて稲垣さんだが、一橋大学出身、天下の朝日新聞でコラムを執筆する女性記者であった。これだけの情報で、彼女の肖像画を描き、趣味や人柄も含め400字で想像する人物プロフィールを書きなさいという入社問題でも出たらあなたはどう書きますか。
 私なら尊敬する上野千鶴子さんを20歳ほど若くしたイメージの肖像画にジャーナリズムの最前線で男社会の荒波に立ち向かうメガネ美人を描く。特派員経験を持ちアフリカ料理に一家言持つも刺身などの生魚はだめ、自由にあこがれ男勝りと言われてきたが未だ人前でおならをかました経験なしetc。
 まさかアフロヘアーのおばさんだったなんて想像の域を飛び越している。そして、まさに、そのヘアースタイルこそが彼女の自由への旅立ちの転機だったのだ。
 もしも私の職場で、隣の座席のT田女子50歳がアフロで出勤してきて「おはようございます。」って言ったら、そらあ驚く。けど、それだけで最高に楽しい職場に変身すると思う。新垣さんのこの本は一人で楽しく生きることを宣言し、そのスキルを会社勤めで徐々に身に着け、威張らない無理をしない脱原発のあり方を考えさせてくれる。アフロにしてもてだしたとは納得だ。アフロから50過ぎでの退社と坂道を転げ落ちるがごとき変化だが、その一方で「自由」がどんどん懐に転がり込んでくる。それにしてもスマホの契約の話は身につまされた。わしは3時間近くかかった、それも妻のサポートがあっての話。60歳過ぎてひとりでスマホの契約なんて無理、説明するねーちゃんも辛いだろうが聞いても理解できないこっちはもっと辛い。そして未だうまく使えない。トホホ

 まだ暗い道を駅へと向かう。終業式も近い、ムチをいれよう。