おいしい記憶

喫茶アート大阪市住吉区杉本町
ここのトーストはすばらしかった。ハムトースト、チーズトースト、エッグトーストと全て熱々で厚切りパンに乗って出てくる。小太り気味のマスターとやたらと色っぽいママの店だった。極め付きはハムエッグチーズトーストだ。分厚くて大口を開けないと無理だった。口の中をよく火傷したもんだ。大阪市立大学前だよ。

純喫茶ロン大阪市住吉区長居
ここの店ではほとんど「オムライス」しか注文しなかった。薄焼き卵に包まれたパラリとしたケチャップライスがおいしかった。徹マン後ここでモーニングをし、隣のパチンコ屋へ行ったが疲れから目が回って打つことができなかった思い出がある。ホントに馬鹿だねー。

ギョーザの王将大阪市東区玉造ほか
大学生になるまでギョーザは一回も食べたことがなかった。好き嫌いが激しくてニンニクを毛嫌いしていたのである。ひき肉もネギもダメだった。ニラなんてとんでもない。この大阪王将はギョーザだけの店で当時は大阪各地にあり、非常に活気にあふれていた。30分以内で10人前食べればタダだった。店内には10人前達成の兵の名前が張り出してあった。私はいつもギョーザ2人前とビールで大満足していた。田舎出の少年が大坂のバイタリティ―になじむきっかけになった店だ。

更科大阪府守口市大和田
妻が某女子大の紀伊国屋書店に勤めていたことで、近所にあるこの店に出入りするようになった。ごく普通のそばやどんぶりの店です。この店のばあさんがファンなのだろう、電話に杉良の写真が貼ってありました。ここでは何といっても「天玉どんぶり」です。妻は「卵とじうどん」がお気に入りでした。ホントにエビ天と卵と飯の申し分なしの完璧コラボです。後日入院した折に、同部屋の患者同士でうまいもんの話になった時。隣のベッドの爺さんが「にいちゃん、大和田の更科の天丼がバカウマやで」と言ったので「いっしょやいっしょや」と感激した記憶がある。まあ最強の天丼ですわ。

宝仙?名前忘れた」大阪府枚方市
道路沿いの「中華屋」。惜しいことに若くしてご主人が亡くなって閉店してしまった。しかし、ここの「炒飯」は私にチャーハンのおいしさを再認させてくれたことで記憶に残っている。妻はここでも「五目卵そば」を気にいっていた。たしかに「ラーメン類」もうまかったがやはりチャーハンだ。パラリほくほくで、ネギやチャーシュウと油のうまみが主人の卓越した技術で空気を含んでフライパンに踊る。ほんとに惜しい人を亡くしたもんだ。あらためて合掌。

朝日食堂大阪府寝屋川市
同僚と何度か通った店です。兵庫県出身の同僚は「こぶうどんと出汁巻お願い」といっていつもこればっかり。私もつられていつもこればっかりに。何といっても出汁巻き卵がおいしい。黄色い卵焼きが四角い皿にでんと鎮座し、真っ黒な出汁が周りを埋めている様は名画のごとしで、見た目のインパクトが強烈だった(味はマイルドだよ)。最近はキツネうどんがお気に入りだが、長い間うどんはこぶうどんが一番だった原因はこの店にある。

長居商店街大阪市住吉区
長居市場の立ち食い「天ぷらうどん」が忘れられない。こしがあって安くてエビ天がすごく立派でこんなにうまくて立ち食いでええんかいなといつも思っていた。東京の立ち食いソバは大変おいしいが大阪はうどんだなと思う。天王寺駅構内の「カレーうどん」もうまかった(生まれて初めて食べたカレーうどんだ。だってそれまでネギも玉ねぎも豚肉の白身もダメだったんだから)。天王寺駅と言えば、駅構内で持ち帰りの寿司を販売していた。販売所が2軒あって決まって片方の店がよく売れていた(両方行列だったけど)。天王寺の本屋などに行った帰りによく下宿まで持ち帰ったもんだ。大阪寿司ではなく巻きずしやチラシが多かったように思う。