初めての プラカラ―

 妻の父親は少年戦車兵だった。昨年、九七式中戦車のプラモを組み立ててあげた。子どもの時からけっこうプラモは作ってきたのだが、ほんとにへたくそだった。色も塗らずただ組み立てただけだったけど、義父が喜んでくれたことが嬉しかった。
  義父の今年のリクエストは「帝国陸軍戦車兵セット」だ。明日妻が帰省するのでそれまでに塗装して組み立てようと、今日はパチンコもそこそこに午後からプラモ三昧だった。しかし今回はあまりに細かくて、還暦越えには厳しかった。結局、デカールはあきらめました。
 

 記憶にある自分の作ったプラモとしては、サブマリン707、鉄腕アトムサンダーバード、戦車(T34、センチュリオン、ナポレオン、パットン、パンサーなど)飛行機(F104、サンダーボルト、飛燕、〇戦、アベンジャーなど)、船(比叡、大和、宗谷など)、自動車(スチュードベーカー、アストンマーチン、など)、今井科学やマブチモーターが懐かしい。しかし、ほんとに下手糞だったなあ。中学の技術家庭も苦手だった。本棚や椅子をつくる時、勉強が全然できないT君がすばらしい手際で素晴らしい作品をつくるのを見て、才能の差というものを痛感した記憶がある。人間には生まれながらに努力ではいかんともしがたい能力の差があるということを初めて理解した瞬間だった。