ホッとする、土曜日だから。

 最近読んだ本は村上龍の「オールドテロリスト」だ。しょぼいルポライターとあぶない通院娘のコンビが良い。村上龍の小説を読むといつも思う、確実で安定したものなど何もないと。現実の世界の危うさとありうるかもしれない出来事をテンポよく進めるこの小説は、すべて通勤電車で読んだ。参院選直前だが、安倍も民進党も嘘くさい。この小説と同じくらい嘘くさい。先日行った期日前投票場で手を引かれつつ投票するよぼよぼ爺さんを見た。一人で歩けない人まで投票するという選挙のリアルさと、こんな投票の結果が反映される政治に対し、可能性と同じくらい不可能性が感じられ、これって本当に現実なのかと思った。

 電車で読んだ次の本は樋口明雄「紅のモーゼル・頭弾」だ。満州を舞台とした馬賊ものだ。気楽に楽しめる娯楽作品だが、自然描写や戦闘場面、追跡行等に「光の山脈」の作者の力量を感じる。

「久々の日本海」高松海岸

















「昨日の弁当」嬉しいうな丼